程よい硬さと肌触りのいいベッドで睡眠をとって朝起きると、ドアノブにはその日の日本の朝刊が掛けられています。最近ではあたり前かもしれないけれど、一昔前では考えられなかったことですね。
新聞を読み、身支度を整え、朝食を食べにレストラン「Cy’an」へ。
レストランはロビーの隣にあり、外には水盤やプールがあって、モダンだけれど潤いも感じる空間です。
席に着くとまず目に入るカトラリーはアレッシィの「Caccia」かな。ジオ・ポンティのデザインがベースになっているそうですが、アルマーニのバスローブのように細長いプロポーションとしなやかなくびれがタイらしく、とても美しいカトラリーです。同じく細長いメニューには、数種類のメインの料理が書かれていて、中から好みのものをオーダーすると作り立てを運んでくれます。そしてハムやフルーツ、パンはビュッフェスタイル。これだと何でもいちいち運ばなくていいし、体調に合わせて適量が食べられるのでいいですね。
自然な食材を使った料理で味覚も満足し、これでこのホテルで五感のすべてが癒されました。五感のうちどれか一つでも欠点があると、そのホテルの印象は悪くなってしまいますが、すべてを高水準に保つというのはなかなか大変なことだと思います。
さて、ジュースやコーヒーもたくさん飲んだことだし、街に繰り出す前にトイレに行きたくなります。
トイレはレストランとロビーの間の少し奥まったところにあり、中に入ると白と黒の壁や乳半のガラスによる、モダンでクールな空間が出現。トイレの位置といい、黒と乳半ガラスの組み合わせといい、先日紹介したコンラッド東京にも通じていますが、こちらは白もふんだんに使っていて、だいぶ明るい雰囲気。丸い手洗器とモザイクタイルの白い壁が眩しく光っています。そして、やはりパブリックな場所にあるから、リラクゼーションというよりは少し高揚させる感じがありますね。
このトイレの特徴は、トイレブースのドアや間仕切り壁を乳半のガラスにしているところ。ブースというと普通は閉鎖的な感じになりがちですが、これだと壁自体が光るし、なんとなく透けた感じが奥行感も感じさせてくれます。落ち着かないかもしれないですけどね。
このホテルは全体的に重厚さは感じさせませんが、かといって軽薄ではない重量配分。
重さは「オリエンタル」などの伝統的なホテルに任せているのでしょう。
では、混沌としたバンコクの街に出発。