今回は「Wakaba-House」の残りの部屋も紹介します。家づくりの参考にしてみてください。
トイレのあるサニタリー空間から廊下収納を隔てたところにはキッチンがあります。
ここはもともとリビングと繋がった和室でしたが、その頃のキッチンは壁に囲まれ奥まった別のところにあって、常に照明をつけていないと作業できないようなところでした。でもキッチンは作業をする時間が長い場所なので、リビングと繋がった明るい場所に移動することに。
このキッチンも既製のシステムキッチンではなく、この家のスタイルに合わせて作っています。面材はシナ合板にオスモ。これは他の家具や建具と同じなので、仕上げの調和がとりやすい。そこにゴミ場所収納や炊飯器、トースター入れなどを設けています。☆
キッチンのカウンターは業務用と同レベルの1.2mm厚のステンレスHL。型押しのシンプルな形状のシンクを設けているので、つなぎ目や凹凸がなく、お手入れも簡単です。
キッチン前の壁には普段は1mm厚のステンレスをよく使うのですが、この家の場合はガラスにしたいというリクエスト。鍋などが当たって割れるといけないので、裏に塗装をした強化ガラスを採用したのですが、これの設置が大変で、施工の皆さんにはご苦労をかけました・・・でも、お陰さまで壁面の掃除がしやすく、質感もよく、明るさと透明感があって、とてもいい仕上がりです。
キッチンの奥はどん詰まりなのですが、小さな鏡を設けているので、外の景色や部屋の子供の様子が映り込んで、広がった感じが出ています。
換気扇は既製品の「Haatz」。食洗機はよく採用する「ミーレ」。IHコンロとオーブンは日立製。その右側には、ちょっとした物が飾れる可動棚を設けました。
もともとキッチンだったところは壁に囲まれた凹んだ空間なので、檜の「Jパネル」を利用したカウンターを設けて「籠り部屋」にしました。この家は全体的に開放的なので、一人おとなしく作業をする時やケンカをしていじけた時は、ここに籠るのです。トイレもそうですが、囲われた空間も落ち着きますよね。
その左側は子供部屋と称している部屋。巾木がないとシンプルで水平線のようです。そのかわりに掃除機をかける時は壁際が汚れないように少し気にしなければいけません。
昔の日本家屋は、冬寒かったり、音が筒抜けだったり、トイレに行くのが怖かったり、、、ある程度我慢をしながら住んでいた部分もあると思いますが、他にも「やせ我慢」する部分っていうのもあったと思うんです。桟の細い障子や障子紙、細かい細工の欄間や違い棚など、雑に扱うと壊れてしまうけれど、丁寧に扱えば「粋な空間」が手に入るというもの。
最近の建物は、簡単に作れて、なるべくクレームが来ないよう安全ばかり見る傾向にありますが、それと引き換えに失っている部分も多いのではないでしょうか。
ちなみに、枠や巾木がない仕上げは、貼ったりハメたりするだけの工事をしている工務店には「出来ません」と言われたり、下手に収めるとヒビがごまかせないので非常に嫌がられるのですが、この物件の相羽建設さんなど、最近お付き合いしている工務店には、ちゃんと腕のいい大工さんがいるので、そのようなリクエストにも対応してくれます。
竣工後は、料理の得意な奥様や日本酒の好きなご主人、家事のお手伝いが好きなお嬢さんが、たびたび美味しい料理やケーキでもてなしてくれ、クライアントの様々なアイディアや、工務店の得意な施工法、そして設計者の3者の個性が上手く融和した空間で、とても居心地のいい時間を過ごさせて頂いています。